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音楽をある程度やっている人ならば一度は目にした事がある、“分数コード” について説明します!
“分数コード”とは、“オン(on)コード”とも呼ばれ、「C on B」や「G / B」などの様に表記されます。
「G / B」の場合、「G」が分子、「B」が分母となります。

分数と言っても、数学の様に「G」を「B」で“割る”訳ではありません。

このような分数コード表記は、「分子のコードのルート音とは違う音をハーモニーの最低音に指定する」時に使用されます。
具体的に言うと、「G / B」の場合、「G」のコードの構成音、「G,B,D」をコード楽器などが演奏し、ベースなどの最低音楽器が「B」を演奏するように、演奏者へ指示しているのです。
通常「G」コードが出てきた場合、ベースなどの最低音楽器は「G」を演奏しますから、分数コード「G / B」が出現した場合は、製作者が狙ってそのハーモニーを指示している場合が多いです。

ここで、分数コードに対する間違った認識から、演奏者が犯しやすい過ちを幾つか紹介します!
 

 
分母を「コード」と勘違いしてしまうケース
分母は、あくまで「note」、つまり「1つの音」のみを指定しています。
これを勘違いして、分母が「コード」であると捉えて演奏してしまうと、意図せず不快なハーモニーになってしまう可能性が高いです。
「G / B」を例に見てみましょう。
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本来、「G / B」は図の様に「G,B,D」と積み重なった「G」のコードの下に、「B」の“音”が来るハーモニーです。コード「G」の3度の音「B」が最低音に来た“第一転回形”と言われるコードの形です。

これを、分母「B」を“音”ではなく“コード”であるとベーシストが勘違いしたとしましょう。
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上図が、「B」のコードです。「B,D#,F#」から構成されています。
この時点で、勘のいい人は分かりますよね?
「B」コード上の「D#」と「G」コード上の「D」
「B」コード上の「F#」と「G」コード上の「G」
が、半音の関係になっています。
ここがぶつかって、意図せず複雑な和音になってしまうのです。


コードネームをつけるとしたら、「B#9b13」です。
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実際に音を鳴らしてみたら分かりますが、かなり「濁った」ハーモニーとなります。
作曲者が狙ってこの和音を出すならば、全く問題ありません。
しかし、ベーシストの勘違いにより全体のハーモニーが意図せずこのようになってしまうのは、非常に勿体無いです。

ベースが割と思う様に演奏できるようになった中級以上のベーシストの中には、「よく動くベースライン」を多用する人も多くなります。
気持ちは分かりますが、分数コードが出てきたら、しっかりと最低音を弾き、特徴的なハーモニーを支える事に集中しましょう!
どうしても動きたいなら、「B」の音を軸に、「G」のコードの構成音を中心にベースラインを作りましょう。

※コードの上にコードを重ねた「アッパー・ストラクチャー・トライアド」という分数コードも存在しますが、一般的によく使われる分数コードといえば分子がコード、分母は1音です。




分母も分子も一緒に一人で弾いてしまうケース
別に和音としては問題ないのですが、一人で分母も分子も全て鳴らしてしまう事は、アンサンブルの中では避けた方が良いでしょう。
特にピアノ奏者は簡単に全ての音を出せますので、最低音から最高音まで一人で全て音を出してしまいがちです。しかし、そうしてしまうと、他にコード楽器がいる場合やベースがいる場合、響きがぶつかってしまい、くどい印象になってしまう可能性があります。

基本はコード楽器が分子のコードを演奏し、ベースが分母の音を演奏する、というふうに役割分担するべきですが、セッションなどでは周りの音をよく聴き、その都度ふさわしい音選びを心がけましょう!

ソロの時は、最低音はベースが弾いてますので、分子のコードに合わせたソロを弾けば問題ないでしょう。



まとめ
○分数コードが出てきたら、コード楽器は分子(コード)を、 ベースは分母(1つの音)を演奏する!
○ソロなどは分子のコードに合わせて弾けばOK!
○アンサンブルの時は周りの音をよく聴き、一人で全音弾かずにサウンドにあった効果的な音を弾く!
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