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【グルーヴ考察】その3「体内メトロノーム」

この記事は約6分で読めます。

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今回からは、「グルーヴ」させるコツについて細かく分析していきたいと思います。 

「グルーヴ」させるためのキーワードは、 
 
「体内メトロノーム」 

「タメと瞬発力」 

「On The ONE」 

「リズムずらし」
 
です。
このキーワードに沿って順番に理解していきましょう!

まずは「グルーヴ」を考察する上でも、音楽をきちんと相手に伝える為にも一番の基礎のとなる重要なキーワード、「体内メトロノーム」の話です。

楽器などを練習する時、メトロノームを使うという方、多くいると思います。 

その練習は大切で、正確なリズムをキープする為には不可欠と言われています。 

もちろん、メトロノームという道具を使ったトレーニングはもちろん可能ですが、実はしかし、「グルーヴ」に限って言えば、メトロノームという道具によって練習すれば身に付くというものではありません。 間違った使い方をすると逆に「グルーヴ」しなくなる可能性もあるのです。

「グルーヴ」を作り出す為の基礎として何が必要なのかと言うと、メトロノームに合わせるのではなく、自ら強靭なリズム感を作り出しキープする事、つまり、体内に自分のメトロノーム=「体内メトロノーム」を持つ事が重要なのです。

では、参考にこちらの動画をどうぞ。



https://youtu.be/ufnskSFweao

この動画は、アフリカ人による「トーキングドラム」の映像です。
アフリカ人は、古くから「トーキングドラム」を始めとした様々な太鼓を情報伝達の手段として使用したり、演奏により精霊と心を通わせ、病気を治したりしていました。
生活と太鼓が密接に関係していたのです。

そしてブラックミュージックのリズムは、元をたどればアフリカ音楽から派生したものです。
元は奴隷として連行されたアフリカ人たちによって、アメリカに持ち込まれ世界に広がったんですね。
つまり、現在のブラックミュージックに影響を受けた音楽は、アフリカのリズムから多大な影響を受けているという事です。

さて、実際に動画を観て気付く事はありましたか?
この動画で演奏している人々に注目してみると、楽器の演奏だけでなく、全ての動きが同じリズムの上で行われています。

さらに全員が、同じリズムの上で全ての動きを行っています。

この動画で演奏する人々の精神と肉体そのものが音楽となっており、聴こえる音と肉体の動きが一体となっている事が良く分かります。

では、音楽と肉体が一体となった動きを確立する為に、普段から彼らはメトロノームで正確なリズムをキープするように練習しているのでしょうか?

答えはNOです。

この動画を観てみて下さい。


https://youtu.be/lVPLIuBy9CY

この動画のように、アフリカの人たちは、生活の中に常にリズムが組み込まれています。

起きてから寝るまで、ずっとリズムの中で生活しています。

そうやって、体内に強靭な「体内メトロノーム」が育っていくのです。

そしてその強靭な「体内メトロノーム」を、体の動きを通して他者と共有する術も生活の中で体得しています。

では、私たち日本人はどうでしょう?
私たち日本人も、歩く事、走る事を、道具を使って覚えた人はいないと思います。


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大多数の人が、気づいたら出来ていたはずです。

歩く事が出来る、という感覚すら持ち合わせないほど自然に、出来ていたはずです。

実は、アフリカの人々が日々行なっているのはそれと同じ事なんです。


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©Stephanie |Anabelrose Photography|

ただ、残念な事に日本人の生活はブラックミュージックのリズムからは遠いところにあります。

日々の暮らしの中にあまりにもリズムが定着していないのです。
(その代わり、日本人には無拍子という独特の“間”があり、おそらくアフリカの人々には体得が難しいでしょう。どちらが優れているという話ではなく、文化の違いです。)

そこで、ブラックミュージックのリズムに近づくためには、まず「体内メトロノーム」を体得する事が必要となります。 

「体内メトロノーム」を持つ事が、体内に強靭なリズムを携える為の基本となります。

そしてそれは、常にリズムを感じる事によって体得できます。

生活の中の全ての瞬間で、リズムを感じることが大切です。

出来るだけ、簡単な動作から始めるのが好ましいです。歩く、走るなどです。

リズムを生み出すキッカケとして、最初は好きな音楽に合わせて動く事も良いかもしれません。

決して楽器の練習をしないで下さい。

楽器を操作する事に集中してしまい、体が不自然な動きになってしまいます。

楽器をコントロールする部分と体全体の動きが別々のものとなってしまいます。

まずは普段の生活の動きでリズムを生み出し、それを感じながら楽器を練習して下さい。

エッグシェーカーなどの、点でリズムを取れない楽器を使うのも良いかもしれません。

☞【点でリズムを取らない事の重要性に付いてはこちらの記事に詳しく書きました。

楽器の演奏で「体内メトロノーム」を養う際の注意点があります。
楽器の演奏をミスしても構いませんが、「体内メトロノーム」が止まる事は無いようにして下さい。

楽器を弾いている間も、楽器から手や口を離した瞬間も、同じリズムが体に流れている感覚が大事です。

※正確なリズムのひとつの基準としてメトロノームを使用する場合は、ビート数を徐々に減らして、最終的には使わないようにして下さい。出来ればドラムマシン、欲を言えば人の出すリズムの方が良いと思います。

練習用にいい動画があったので貼っておきます。

これに合わせてリズムを感じ続けられればマスターです。

休符のあと、再び入る時に少しタイミングがずれるのは問題ではありません。

タイミングのずれに惑わされず、リズムを感じ続ける事が重要です。



この練習方法については、Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)の、こちらのDVDで詳しく解説されています!

楽器演奏を含め、全ての一連の動作が連続したリズムの中で行われるようになる頃には、体内にメトロノームが備わっている事でしょう。
まずはそこを目指してみて下さい!

「体内メトロノーム」が備わってきたら、次はリズムどう捉えるか、どう発するかです。
次回は「タメと瞬発力」についてです。

【グルーヴ考察】その1「グルーヴとは、なにか」 

【グルーヴ考察】その2「グルーヴしている状態」 

【グルーヴ考察】その3「体内メトロノーム」 

【グルーヴ考察】その4「タメと瞬発力」 

【グルーヴ考察】その5「On The ONE」 

【グルーヴ考察】その6「リズムずらし」 

【リズムとグルーヴ】記事一覧

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