前回、楽器の音にも子音と母音が存在する事は説明しました!
記事を読んで頂いた方には、この理屈をきっと理解してもらえたと思います。
楽器にも子音と母音が存在するとなると、楽器の演奏も日常で使っている「言語」の「発音」に左右されます。
日本語はご存知の通り、「母音」が非常に強い言葉ですので、日本人の演奏は「母音」が強い事になります。
そして、これはリズム、グルーヴにも非常に影響があります。
リズムの点に対して「母音」で合わせるのか「子音」で合わせるのか
日本語を常用する日本人の演奏は、「母音」が強いですから、リズムに対しても「母音」で合わせていきます。
「ジャン、ジャン、ジャン」とイメージした音を演奏した場合で説明します。
子音と母音を分かりやすくする為にアルファベットで「Jyan、Jyan、Jyan」と表記します。
日本人は「母音」で合わせていきますから、「–an、–an、–an」と、anの位置でリズムに合わせていく事になります。つまり、「子音」はリズムに対して常に前のめりになっているという事です。
更に言えば、「子音」には意識が向いていませんし、楽器の音になった場合、下手をすれば他人には認識すらされていませんので、「子音」のリズムはアンサンブルの中でバラバラです。
逆に、英語を常用する人の演奏は「子音」が強い為、「Jyan、Jyan、Jyan」を「Jy–、Jy–、Jy–」の位置でリズムに合わせます。
すると、今度は「母音」が人によって“ズレ”て聴こえてくるんです。
ある人が「Jyan」と演奏する所を「JJJJJJyan」と“タメ”気味に演奏しても、英語圏の人は「子音」をバッチリ合わせているので、グルーヴするのです。
ひょっとしたら、実は日本人が、グルーヴしている音楽の“独特のズレ”が気持ちいいと勘違いしているだけで、英語圏の人は、実際は単に「子音」を合わせているに過ぎないのかも知れません。
「子音」に集中すると、聴こえ方が変わる!
今まで聴いてきた音楽を「子音」に意識して聴いてみて下さい!
具体的には、ハイハットシンバルが「chi、chi」と聴こえたら、「ch」の部分を意識して聴くだけです。
聴く音楽は何でもいいのですが、ズレが気持ちいいとされるブラックミュージックが違いが分かりやすいです。
Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)の“The Ghetto”を参考にしてみましょう。
バンド全体が演奏しだしてからが特に分かると思います。
音の「母音」部分、音階が見えてくる部分ばかりに集中すると、ズレて聴こえます。
しかし、音の出始め、まだ音階が判別出来ないくらいの部分、つまり「子音」に集中すると、ピッタリ合ってるんです!
「ちょっと何言ってるか分からない」という人もいると思います。
日本人は「子音」に疎いですから、仕方の無い事です。
そんな人は「子音」に注目する為、まずは歌の子音を聴くと分かりやすいです!
歌詞の聴こえ方が変わってくると思います。
何を言っているかは全く理解出来なくても、少なくとも「子音」に集中する前よりは、何と歌っているのか理解出来るようになったと思います!
その耳のまま、次は楽器の演奏を聴いてみて下さい。
リズムが、ピッタリあってませんか!?ジャストですよね!?
これ、かなりの大発見だと思うのですが、どうでしょう?
「子音」がピッタリ合う!セッションの時や音楽を聴く時など、是非色々な場面で体感してみて下さい!