皆さんはジャム・セッションに参加する時に、どういう目的で参加しますか?
「思いっきり楽器を演奏する事でストレス発散」
「バンドメンバー獲得の為、新たな出会いを求めて」
「たくさん練習したソロを、誰かに聞いて欲しくて」
様々な人が様々な目的を持って参加するのがジャム・セッションの魅力です。
しかし中には、
「ジャム・セッションを通して音楽性を高めたい」
「不特定多数の人と即興で素晴らしい音楽を作り上げたい」
などと、意識の高い方々がいらっしゃるのも事実です。
今回はそういう意識の高い方に向けて、ワンランク上の考え方をご紹介します!
その考え方はズバリ、
「自分を消す」
です!
頭に「?」が浮かんだ方、安心してください!
ほとんどの人が意味が分からないと思います。
これだけ聞いて理解できた方は、すでにかなり音楽経験が豊富で、色々な人と幾重にもわたるセッションを重ねてきた猛者ではないかと見受けられます。
それではさっそく、「自分を消す」とはどのような状態なのか、解説していきます!
◎「上手い演奏をしたい!」という欲が大敵
演奏を他人に聴かせる時、自分の演奏を出来るだけ良く聴かせたいと思うのは当然の事と思います。
僕も、いつもそう思ってしまいます。
しかし、意気込んで演奏した時の演奏を、後で見返してガッカリした事はありませんか?
「こんなはずでは。。。」とショックを受けたことはありませんか?
実は、そこにヒントがあるんです!
「良く見せたい!」「上手い演奏をしたい!」と考えながら演奏している時、あなたの感覚や体はどうなっていると思いますか?
実は、そういう時、感覚は自分の演奏以外の情報をシャットアウトし、周りにまったく合わない演奏をしてしまい、体には無駄な力が入って、頭でイメージしている事が体にうまく伝わらず、独りよがりで自己中な演奏になってしまっているのです!
◎アンサンブル全体の中の一員である事を理解する
ジャム・セッションでも何でも、二人以上で演奏する際には、全体の演奏がどうなのかが一番大切です。
自分が上手に演奏できたと思っていても、それが周りの演奏と上手く混ざっていなければ、結果として良くない演奏になってしまいます。
常に一歩引いた視点からアンサンブル全体を捉え、その中で自分がどのような演奏をするのかを考えたり感じたりしながら演奏するべきです。
そういう視点を持っていると、周りの音がとてもよく聴こえますし、音の会話に対する反応速度も上がります。結果、とても円滑で音楽性が高く、豊かなアンサンブルが出来上がります。
全員がそのような視点を持っていると、セッションの内容も次第とハイレベルになってきます。
◎「自意識」が一番邪魔であるという事に気づく
一歩引いた視点から周りをよく聴き、アンサンブル全体にとって自分が何をすべきかを考え、曲のための演奏をしていくうちに、「練習してきたこのフレーズを是非聴かせたい」「上手に演奏したい」「聴き手がアッと驚く演奏をしてやりたい」などの「自意識」が、一番邪魔な存在である事に気づきます。
突き詰めていくと、「自分(自意識)を消す」事がハイレベルな音と音のやり取りをする上でとても重要である事がわかります。
ソロが回ってきたり、客が盛り上がっていて気持ち良くなったり、尊敬するあまり萎縮してしまうような相手に聴かせる場面だったり、心をかき乱されるような様々なシチュエーションで、「自意識」は現れます。
それに対抗するには、普段からよく学び、セッションやライブなどで場数を踏み、よく練習をしておく事が必要です。
そして、本番で100%の力を出そうとしない余裕が大切です。
逆に言えば、100%の力を出さなくても楽しませる演奏ができるくらい、日頃からトレーニングをしておく必要があります。
◎出来なくても大丈夫!
ちょっと厳しめの内容でしたが、もちろん出来なくても気にする必要はありません!
ジャム・セッションは、そんな事が出来なくても楽しくコミュニケーションが成立する世界です。
それぞれが思い思いの演奏をすると良いと思います。
ただ、もっと高みを目指したいだとか、ワンランク上のセッションをしたい方は、「自分を消す」という事を念頭においてセッションに参加してみるのもいいかも知れませんね。
今回はここまで。
それでは皆さん、良いセッションライフを!