2020年6月29日に、YAMAHAよりオンライン遠隔合奏サービス『SYNCROOM』がローンチされました。
ジャム・セッションin高知では10年ほど、毎月1回ジャム・セッションを主催し、ここ数年では毎回20名前後の方が集まってくれる程度に賑わってましたが、コロナ禍を受けてリアルに集まってジャム・セッションをすることが困難になり、やむなくオンラインでセッションを楽しむ方法を模索する中で、SYNCROOMの元になったNETDUETTOでのセッションを開始しました。
それ以来、数回オンラインセッションをする中で見えてきた、『SYNCROOM』の現在の限界と、その中でオンラインセッションを最大限楽しむ方法をお伝えしたいと思います!
オンラインセッションをするために必要な事は、以下の記事でまとめてます!
SYNCROOMオンラインセッションの限界
SYNCROOMの魅力は、やはり遅延なくリアルタイムで演奏出来る点にあります。
ただオンラインで会話するだけならば、Zoomやその他web会議ソフトなど使えば良いですが、音楽をリアルタイムに相互で演奏するとなると、それでは遅延がひどすぎて無理です。
具体的には、AさんとBさんがリアルタイムでオンライン演奏すると、まずAさんの音が遅れてBさんに届き、それに合わせてBさんが演奏すると、Aさんには更に遅れて届き、どんどんテンポが遅くなってく、みたいな現象が起きてしまいます。
遅延を考慮して演奏するなどの特殊な技術がないとまともな音楽にならないですし、大前提として、そんな音楽は、やっていて全く楽しくありません!
ですので、SYNCROOMを使うことはオンラインセッションを行う上で必須となるのです!大変素晴らしいサービスなのですが、それでもやはり、SYNCROOMにも限界がありました。
同時に“楽しめる”のは5人まで
SYNCROOMは、1つのルームに5人まで同時接続出来ます。
そして、ルーム同士を最大2つ連結出来るので、最大10人でオンラインセッション出来る仕様となっています。
しかし!
実際に数回ジャム・セッションを試みた結果、ルーム連結を使用すると遅延と音の劣化が激しく、“楽しく”オンラインセッションする事は無理だという結論に達しました。
(※10人で遅延なく楽しくセッション出来たという方がいらっしゃいましたら、是非やり方を教えて下さい。。。!)
セッションメンバーの通信環境に左右される
これは以前の記事でも書きましたが、セッションメンバーの1人でも通信環境が悪いと、全く音楽になりません。
少なくともPCが有線でインターネットに繋がっていることが最低条件になります。
また、あまりにも古い型のLANケーブルも避けましょう。
安いんで、最近のものを買って下さい。
僕も買います(笑)
現実的に最大限楽しむ方法
ここまで、SYNCROOMで“楽しむ”限界について説明しましたが、ここからは、実際どのようにしてオンラインセッションを楽しむかについて説明します。
2〜5人で楽しむの方法と、6人以上で楽しむ方法と、2種類紹介します!
2~5人で楽しむ方法
2~5人で楽しむ方法はシンプルです。
全員が十分なインターネット環境を確保し、SYNCROOMに集うだけです。
音質と遅延の具合などのバランスは、設定の以下の部分を変えて調整してみて下さい。
詳しくは公式のマニュアルを参照して下さい。
6人以上で楽しむ方法
6人以上で楽しむのは、少し複雑です。
前提として、同時に5人までしかセッションを“楽しむ”事は出来ません。
前述の通り、ルーム連結による同時接続は遅延がひどすぎる為です。
では、6人目以降はどのように楽しむのかというと、“聴いて楽しむ”しかないです!
結局2~5人でしか演奏して楽しむことは出来ませんが、聴くというのも、セッションの楽しみの一つです!
環境の悪い中、全員が苦笑いしながら演奏にならない演奏をするよりは、よっぽど楽しめると思います!
5人という制限があるのもアンサンブルがスッキリとして、結果として良い演奏になる可能性が高いと思います。
具体的にどのように楽しむかを説明します。
ルーム連結は、聴くために使う!
散々酷評してきたルーム連結ですが、結局使います。
それは、セッション非参加者が“聴いて楽しむ”ためです。
セッション参加者が集うルームを“ルーム1”とし、聴く人用のルームを“ルーム2”とします。
まずルーム2のホストの方は、SYNCROOMに接続可能なPCを2台用意します。(これがかなりハードル高いですが。。。)
Zoomの音声共有を使う!
そして、ルーム2のPCでZoomに参加し、音声共有します。
これでZoomに参加している人全員が、ルーム1で繰り広げられているセッションをモニタリング出来るようになります!
ルーム2の音は遅延していますが、聴くだけなら全く問題ないのです。
コツとしては、ルーム連結のバッファ(遅延)を最大にすると安定感が増すようです。
ルーム1のホストは誰でも構いませんが、通信環境の良い人が望ましいでしょう。
実際にこのスタイルでやってみましたが、“普通に音楽として聴けるな”といった印象でした。音質は別に良くはないですが、誰がどのような演奏をしているかは分かるので、十分なレベルだと思いました。
※ちなみにこれは、いつもセッション参加してくれているポールさんのアイデアです。さすがです!
まとめ
いかがでしょうか?
これで、演奏する2~5人はその都度ルーム1へ出入りし、ルーム2のホストがそれをZoomで音声共有する、という楽しみ方が確立できました!
ルーム1がステージで、Zoomにいる全員で音楽を共有するという風な形ですし、リアルのセッションに近い感じですね。
ルーム2のホストの人がPC2台ないと自分がセッション参加出来ないので、そこがかなりのハードルになりますが、現在考えられる最善の楽しみ方がこれです!
とはいえ、実際にリアルでジャム・セッションをする楽しさと比べると、雲泥の差があります。リアルの体験は本当に貴重なんだなと、改めて実感しました。
早くみんなに会いたいです(笑)
とはいえリアルにセッションをしづらい現状において、オンラインセッションしかないですし、遠隔地でなかなかリアルにセッション出来ない方とセッション出来るのはオンラインならではで良い事だとも思いますので、今後もまた、新たな楽しみ方や更に良い環境など発見できたら、ブログにて共有します!
オンラインセッションの環境整ってない方、是非以下の記事を読んで、一緒にオンラインセッションしましょう!