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【グルーヴとは? その2】グルーヴがもたらす感情を分析してみた

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はじめに

まだまだ明確な定義がされてない「グルーヴ」。そんなよく分からないグルーヴについて、一つの考え方を提示してみようかと、「グルーヴとは?」シリーズとして何本か記事を書いていこうと思います。

今回はその第2回目です。前回の記事では、「何のために音楽をグルーヴさせるのか?」ということを考えるために、どんな感情や感覚をもたらしたいのかという視点で解説しました。

まだ読まれていない方は、是非こちらをご覧ください。

【グルーヴとは? その1】音楽をグルーヴさせる意味って何?

そして今回は、グルーヴがもたらす感情、とりわけ「喜び」「楽しさ」「安心感」「幸福感」について、心理学的な視点も入れつつ、詳しく分析してみようかと思います。

「喜び」ってどんな感情?

みなさん、人生の中で一度は喜んだことがあると思います。長年の努力が実った瞬間だったり、はたまた、チリ紙をうまくゴミ箱に投げ入れられた瞬間だったり。

壮大なことでも、些細なことでも、何かがうまくいくと嬉しくなりますよね。そんな「喜び」とは、具体的にはどのような感情なのでしょうか?

喜びとは、「希望」が「達成」されること

人は常に、「〇〇したいな」「△△になると嬉しいな」というような「期待」や「希望」をいだいています。その望むものには大小ありますが、「何かしたい」→「行動」→「達成」というように、何か行動を促すためのきっかけが、「希望」です。

その「希望」が達成された時、私たちは小さいながらも「喜び」を感じています。例えば、「ご飯を食べたい、食べる、喜ぶ」という感じですね。

つまり、グルーヴから喜びの感情を得るためには、その前に何か、「希望」を抱かせる要素が必要そうです!

例えば音楽を聴いているとき、「このタイミングで、こんな音が来てほしいな」という希望がありそうですね。そんな希望が満たされた時、「うおお!来た来た!この音!このタイミング!」となって「喜ぶ」わけです。

この「このタイミングで、こんな音が来てほしいなという希望」は、詳しくは別の記事で解説しますが、グルーヴで大切な「ポケット」というキーワードに大きく関係してきます。乞うご期待。

人は喜ぶと、どうなるの?

喜びを得ると、「もっと喜びたい!」という感情が芽生えます。なので、その行動を繰り返し繰り返し、続けたくなります。いったんグルーヴしだすと止まらないのは、この「喜びの連鎖を止めたくないから」とも言えそうですね。

また、他人の喜びは自分の喜びにも転換できます。人が喜んでいる様子を見ると、なんだか嬉しくなってきませんか?これが集団の団結力にも繋がって、グルーヴという喜びの輪が広がるのです。

グルーヴにおいて、「喜び」という感情はかなり重要なもののようですね。

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「楽しさ」ってどんな感情?

「喜び」と「楽しさ」、なんだか似てる気がしますね。でも、心理学上は別の感情なんだそうです。

あなたはどんな時に楽しいと感じますか?私は大好きな音楽を演奏したり、旅行先で非日常の体験をしたりすると、楽しさを感じます。

そんな「楽しさ」を詳しく分析すると、どのような感情といえるのでしょうか。

楽しさは、「興味」が「充足」した時に感じる

楽しさを感じる時って、何か好きなものに没頭しているときなど、自分が「興味」を抱いている対象と共にいる時じゃないでしょうか?自分の「好き」にアクセスするときほど、「楽しさ」を感じる時は無いかもしれません。

例えば、好きなテレビ番組は楽しいですけど、全く興味のない番組を延々と見せられるのは、けっこう苦痛ですよね。子供のころはニュースが苦手でも、大人になるとニュースに興味が出て、時には楽しく見ることだってあります。

興味が強くなれば、それに応じて「楽しさ」も増していくようです。では、どうやったら興味って強くなるのか?ということを深堀りしてみましょう。

興味はドーパミンで倍増

興味とは元々、「未知のものへの接近」のために作られた感情と言われています。興味という感情を使うことで、生き物はその捕食領域やテリトリーを拡大することができるため、かなり原始的で重要な感情のようです。

つまり物事への興味というのはある種の危険も孕んでいて、そのリスクを取ってでも新しいものへ接触するには、「ドーパミン」が必要になりなす。(ドーパミンとは、意欲を持たせたり、行動を活発にしたりする神経伝達物質)

そして、この「ドーパミン」は、空腹が満たされたり何かを達成したときに分泌される報酬系の物質なので、先ほどの「喜び」の感情でも「希望が満たされる」わけですから、ドーパミンが大量に分泌されることになります。

つまり、グルーヴすることで、喜び」が発生し、ドーパミン」が分泌対象への「興味が湧き、それが楽しさ」へと繋がるのです。グルーヴした音楽を聴くと楽しくなるのは、こういうメカニズムで説明することもできそうですね。

「安心感」ってどんな感じ?

あるジャズドラマーはグルーヴしているとき、「何の緊張も苦痛も無く、そのグルーヴに乗って落ち着いていられるし、後戻りすることも先に行くこともない」と言います。つまり、強力な「安心感」を得ているわけですね。

では、安心感とはどのような状況で感じることができるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

安心感を得るには、「自信」が必要!

安心感は、「恐怖からの解放」によって生じます。何か身の危険を感じているとき、その危険が解消されると、「ほっと一息つく。」これが安心感の源です。

つまり、恐怖や不安が無い状態を「安心感」と呼ぶんですね。では、恐怖や不安を解消するには、何が必要なのでしょうか?

それは、「自信」です。自信があれば、何の不安もなく行動することができます。

「グルーヴから外れたらどうしよう?」という考えもよぎらないほどの自信があれば、強い安心感がありそうですね。

自信は「希望の達成」の連続で得られる

安心感を得るために大切な「自信」。では、自信はどのようにして得られるのでしょうか?

結論から言うと、「希望を達成し続けること」です。つまり「やりたい!できた!やりたい!できた!」の経験を積み重ねることです。

つまり、自分がやりたいことはいつでも達成できるという「達成の常習化」から自信が身に付くんですね。で、「希望の達成」ってなんでしたっけ?

そう、希望の達成とは「喜び」のプロセスです。喜びを連続して得ることで、自信に繋がるんですね。

つまりグルーヴは、

  1. 「このタイミングでこんな音が欲しい!」という希望」から始まり
  2. それを達成して喜び
  3. 喜びが楽しさ」に繋がり
  4. それが繰り返されることで自信」が付き
  5. 安心感」が得られる

というわけです。

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「幸福感」ってどんな感じ?

最後に、特にゴスペルなどの宗教歌でグルーヴしたときに感じられる「幸福感」というものを分析しようと思います。この最終的には、この幸福感を求めるために、グルーヴは存在しているといってもいいのかもしれません。

では、人はどのようなときに「幸福」を感じるのでしょうか?

幸福は「愛の満足」で感じる

やっぱり「愛」ですよ、「愛」。Loveですね。

愛のある行動を受けた時、また、行ったとき、人は幸福を感じます。「お金があれば幸せ~」と人は言いますが、そこに愛がなければ、お金をもらっただけでは幸せにはならないんですね。

だいぶフワッとした話で、胡散臭さが出てるかと思いますが、大丈夫です。ちゃんと論理的にまとめますので。

では次に、愛とは何かを考えてみましょう。

愛とは「利他的行為」である

自分の希望を満たして喜んでいるだけでは、愛の行動とは言えません。相手のために何かをしてあげること、つまり、「利他的行為」こそが、愛の行動と言えます。

愛とはかなり基本的な感情の一つで、母性本能が同胞・集団にまで拡大したもので、社会を築く上で非常に大切な役割を担っています。どうです?胡散臭くないでしょう?

相手へ「喜び」「楽しさ」「安心感」などを提供することで、自分も相手も、愛の満足度が上がり、お互いに幸福感を得ることができます。グルーヴすることはつまり、自分が「喜び」「楽しさ」「安心感」を得られるということですが、同時に、聴衆にもそれを提供することになるので、それが利他的行為となり、その場にいる人みんなが幸せになるのです。

グルーヴした音楽でその場にいる人々が一体となると、それだけで強い幸福感を感じることになります。さらにはドーパミンも出まくりですから、一種の麻薬のような、ハイになる要素も含まれているわけです。だから容量用法をを守らないと、実は副作用もあります。

まとめ

はい、ちょっと長かったですが、グルーヴから得られる「感情」にフォーカスを当て、細かく分析してみました。まとめると次のような結論になります。

1.「このタイミングでこの音が欲しい」という 希望 が発生
2.その希望が叶えることで、 喜び を感じる
3.喜びを得ればドーパミンが発生し、その音楽に対してさらに 興味 が湧く
4.興味ある対象にどっぷりつかることで、 楽しさ を感じる
5.希望が叶うことが連続することで、 自信 に繋がる
6.自身が積み重なることで 安心感 が得られる
7.喜び、楽しさ、安心感などを聴衆に提供することで の行動となる
8.愛を受け取った人々、愛を提供した自分の両方が 幸福感 を得る

という流れで「喜び」「楽しさ」「安心感」「幸福感」が得られるというわけです。このまとめを見ると、気づくことがあります。

それは、これらはすべて「希望の発生」から始まっているということです。ということは、どのようにすれば希望が発生するのか、その方法を見つけることができれば、グルーヴというものについてさらに理解できそうですね!

今回はグルーヴによっておこる「感情」について分析しましたので、次回は、グルーヴしたときの「感覚」について詳しく分析してみたいと思います。「希望の発生」についてのさらなる分析は、もうちょっと先で解説しようと思います。

それでは、お楽しみに!!

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